企業の取り組み:清水建設

清水建設は、2001年5月から2年間にわたって技術研究所内に建設した屋上ビオトープで収集した生物多様性・設計・維持管理に関する3種類10項目のデータ解析を完了し、その効果を検証した。

屋上ビオトープは生態系に配慮した「究極の屋上緑化手法」とされ、将来的には大規模緑化地域をつなぐ中継点として、ビオトープネットワークの構築の一翼を担うことが期待されている。

屋上ビオトープは、里山をイメージしたモデル施設で、緑化面積は154平方メートル。地盤に最大約70センチの高低差をつけ、スチレンフォーム・超軽量人工粗骨材・人工軽量細骨材など軽量な資材を多用することにより積載荷重を従来の2分の1程度以下と大幅に削減した。

また、多様な植物の出現や生き物に優しい環境整備(空間の創出)という観点から、表土に自然の畑土を敷設。水辺環境、堆積槽、粗朶(そだ)積みなど生き物のための多様なハビタットを備え、人工的環境の中でも、自然により近いものとしたのも大きな特徴。

データの解析結果から検証された主な内容は次のとおり。

1.植栽した植物は当初103 種類だったが、2年間で新たに108種類が出現し、合計で211 種類と2倍に増加した。これは近在の畑土を表土として使用した結果で、畑土中の埋土種子を利用することにより、多種多様な草本類の早期発芽・生育を可能にするということが明らかになった。

2.飛来昆虫は112種類、飛来鳥類は15種類が観察され、予想以上の生物の飛来が観察された。都市ではあまり見かけられないカンタンやコオロギなどの直翅目が増加・定着し、ビオトープが十分に性能を発揮していることが明らかになった。

3.ビオトープ設備に関しては、堆肥槽がコンポスト用としてのみならず、昆虫の卵が付いた枯れ草の一時ストック用、また生物の生息空間として最適な状態をつくり出すなど、最も効果的に機能することが確認できた。

これらの成果に基づき同社は、立地・規模などに応じた最適なビオトープの提案が可能になったとしている。


 

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